チェーホフ作品の特徴
チェーホフ作品の特徴
チェーホフの作品としては、「かもめ」「桜の園」「ワーニャおじさん」「三人姉妹」などの戯曲作品が主に親しまれていますが、小説の分野においても戯曲に劣らぬ名作を数多く残しました。
チェーホフ作品の大きな特徴は、「ドラマのないドラマ」と言われています。作中で何一つ事件らしい事件がおきません。登場人物たちの日常生活、会話とそれぞれの考えや人間関係が作品の内容となっています。

登場人物たちの口からは現実の生活への幻滅と未来の美しい生活への希望が語られます。
穏やかといわれた人柄そのままにチェーホフの作品はなにかの観念や思想を声高に主張するということがありません。
もっとも表面的に指摘される点は、チェーホフの作中人物は憂鬱、哀愁、ペシミズムや絶望にとらわれている、という部分です。
これを捉えて、一昔前の批評家シェストフはチェーホフを「絶望の詩人」と呼び、チェーホフについて「さまざまな人々の様々な希望を抹殺することに没頭した。彼の作品の主人公たちは希望も、行方も閉ざされ、なにかをする能力すらない。もはや壁に頭をぶつけることしか残されていない」と語っています。
しかし、現在ではシェストフの見方はチェーホフを一面的にしか理解していないものとしてあまり賛同する人はいません。