チェーホフの短編小説「たわむれ」を読む

チェーホフの短編小説「たわむれ」を読む

「たわむれ」の初版と改訂版の違い

初版と改訂版では話の結末が異なっています未知谷版の翻訳者児島宏子さんはこう述べています。


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”しかし旧版では二人が結ばれることになっていた。

庭に佇むナージェンカは風に耳をすます。

塀の隙間から愛の言葉を囁く<わたし>。

ナージェンカの顔に喜びが溢れ輝く。

それを目にした青年はたまらなくなって、恋に恋する乙女に向かって駆け寄る。

<…そこでわたしは結婚することになりました。>という言葉で幕は閉じられている。”


本文をすでにお読みになられた皆さんは、この違いをどのように感じられるでしょうか?

二人を結びつけた”なれそめ”のお話になっているだけの初版に比べ、改訂版の方が、少女を残して去っていった主人公のさまざまな思いを想像させるチェーホフらしい結末に仕上がっているように思います。